キャンプでの順位とペナントレースの順位の関係性

野球の試合

基本的にキャンプでは、若手がアピールすることやレギュラー選手のシーズンに向けた調整を目的としています。しかし、キャンプで行われるオープン戦の順位で、ペナントレースの順位を予想する人も珍しくありません。各球団のファンはオープン戦の順位によって、ペナントレースの優勝を期待するケースもあるでしょう。そこで疑問として挙がるのが、オープン戦の順位とペナントレースの順位の関係性です。どの程度関係しているかによって、応援しているチームへの期待度も変わるでしょう。

過去3年のデータで言えば、2015年のオープン戦を首位で終えたソフトバンクがパリーグ首位になりましたが、2016年のオープン戦を首位で終えた阪神と2017年のオープン戦を首位で終えたロッテは、セリーグ4位とパリーグ6位という結果に終わっています。このことからオープン戦を首位で終えても、必ずペナントレースで首位になれるわけではないことが分かります。これだけ見ると、キャンプでの成績とペナントレースの関係性はないように思えますが、そういうわけではありません。

過去3年で同率も含めるとオープン戦での順位が最下位だったチームは、5チームあります。この5チームの中でペナントレースの順位が3位以上であったのは、DeNAだけというデータが出ています。つまり、オープン戦の順位が最下位であったチームはペナントレースの順位も低迷してしまう可能性が高いと言えるでしょう。

オープン戦の順位もペナントレースの順位も高いのが、ソフトバンクです。ソフトバンクだけはキャンプでの状態の良さを維持したまま、ペナントレースを戦えています。それだけキャンプでの取り組みが成功していると考えられます。

プロ野球選手が複数で自主トレをする理由

芝の野球ボール

プロ野球のペナントレースが終了し、秋季キャンプが終わったら各選手は自主トレに励みます。故障は是が非でも避けなければいけませんから大抵温暖なエリアで行われますが、明確なルールはなく選手の自己判断となります。毎年自主トレの様子は新聞やニュースで取り上げられますが、ほぼ確実に複数人でトレーニングしています。考えられる第一の理由としては、選手同士学び合うためです。

同じプロ野球の世界でも、常に結果を残している選手となかなか結果を残せず2軍の試合中心という選手がいます。中でも何年も活躍できず、戦力外通告が現実味を帯びている選手は例え自主トレと言っても気が張り詰めています。そこで、結果を残している選手の体の使い方を見たり聞いたりすることで、自分自身を強化できれば大きな変化があるかもしれません。後輩が先輩に学ぶのはもちろんですが、先輩が後輩に学ぶというケースもあります。そして、複数人でないと練習に不都合が生じるという点も大きいです。自主トレはキャッチボールなどの基本的な動きも行いますが、その時に相手がいなければ練習になりません。キャッチボール一つでも球のスピンや重みはそれぞれ違うので、選手にとっては良い学習の時間です。自主トレでバットを使った練習をするかどうかは選手によって様々ですが、もしバットを使用して球を打つならトスする人がいないと練習が成立せず、打った後の球を拾うのも大変です。打つ人だけでなく、球を拾う人も守備の練習になるので一石二鳥です。

このように、自主トレは複数人で行うのはメリットが非常に多いことが分かります。選手も人間なので、練習後の全員での食事や賑やかな雑談の時間も重要なリラックスとなりますし、選手同士の絆も深まります。